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「技術者倫理」を読んでみた。 [書籍の紹介]
技術者の倫理についてはいままではなじみが薄く、また関心がそう高くはないように思う。
私も技術士を目指し始めるまではそういったことには漠然としたものしかなかった。
その理由としては倫理というのが主観的で判断しにくい印象があること。
それに伴って、明確な判断がしにくいことが挙げられる。
この本は実は放送大学の技術者倫理についての講座の教科書であり、ひょんなことからこの番組を見ていたら興味がわきテキストを取り寄せてしまった。
この本には、技術者にとってはその行動規範ともなる倫理は重要であることや、エシックステストというこれから取ろうとしている行動が倫理的に問題ないかを判断するテストについて述べられている。
たとえば、普遍化可能性テストというものがある。
これは、ある行動に対して世の中のみんながやり始めたらどうなるかを考え、もし社会が成立しないと思えるならば、それは倫理的に不適切と考えるというものである。
たとえば「嘘をつく」を例にとるともし、自分以外の人がすべて嘘をつき始めた場合、社会は成立しない。
したがって、嘘をつくということは倫理的に不適切であると判断するという考え方である。
嘘をつくなどはとてもわかりやすいが、いろいろな例に照らし合わせたときにはいろんなケースに適用できる。
たとえば、出発間際での駆け込み乗車も、みんながやり始めたら電車はダイヤ通りには運行できず、成立しなくなるなど、いろいろな例に応用可能である。
こういったテストをエシックステストというのであるが、この本にはそういったことがいろいろと出ている。
また、事例も何点かあげられていて、スペースシャトル「チャレンジャー」の事例やホンダのCVCCエンジンの開発、シティコープタワーの事例などとても丁寧に書かれていると感じた。
今後もぜひ繰り返し読んでいきたいと思う一冊である。
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